このように、合格率一桁の難関試験である社労士試験を無事通過した後、これまでの勉強生活が一転して、大きく生活リズムが変わってしまうことに戸惑う受験生も多いのではないでしょうか。
ある意味で嬉しい悲鳴ではありますが、これまでの規則正しい生活を維持しつつ、新しい一歩を踏み出したいところですよね。
今回は、合格発表日までの間、「自己採点で合格が見込まれる」受験生のより良い過ごし方について考えていきたいと思います。
社労士試験の採点結果でいう「合格点」「合格ライン」とは
そもそも、社労士試験の自己採点で「合格出来そう!」と確信できるのはどのレベルの点数をいうのでしょうか。
各科目に足切りがない
社労士試験には多くの試験科目があります。それらを同時に合格基準点を満たしている必要があります。
択一式:各科目4点以上(7科目全て)
選択式:各科目3点以上(8科目全て)
以上の条件が基準となりますが、例年試験後に受験生たちを賑わせる「合格基準点の引き下げ(通称:救済)」が話題になります。
その年難易度が高く、多くの受験生が得点できなかったような科目は合格基準点から更に1点(極まれに2点)引き下げられる場合もあります。
択一式・選択式共に規定の総合得点を超えている
社労士試験は択一式、選択式それぞれの全科目を合わせた総合得点でも合否を判定します。
択一式:総得点70点中49点以上(総得点の7割)
選択式:総得点40点中28点以上(総得点の7割)
この合格基準点は平成12年度以降厚生労働省によって定められたものになりますが、実際には例年補正が入り、択一式は45点前後、選択式は25点前後に落ち着くことが多いようです。
この総合得点は特に択一式で大きな壁となって立ちはだかり、難しい選択式の足切りを回避した次に山場となって合格見込者の頭を悩ませる場合が多いです。
年 | 択一式試験 | 選択式試験 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|---|
総合・ 合格 基準点 | 科目別必要最低得点 | 総合・ 合格 基準点 | 科目別必要最低得点 | ||
3年 | 45点 | 4点 | 24点 | 3点 (「労一」→1点・「国年」→2点) | 7.9% |
2年 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点 (「労一」・「社一」・「健保」→2点) | 6.4% |
元年 | 43点 | 4点 | 26点 | 3点 (「社一」→2点) | 6.6% |
30年 | 45点 | 4点 | 23点 | 3点 (「社一」・「国年」→2点) | 6.3% |
29年 | 45点 | 4点 (「厚年」→3点) | 24点 | 3点 (「雇用」・「健保」→2点) | 6.8% |
28年 | 42点 | 4点 (「常識」・「厚年」・「国年」 →3点) | 23点 | 3点 (「労常」・「健保」→2点) | 4.4% |
27年 | 45点 | 4点 | 21点 | 3点 (「労常」・「社常」・「健保」・ 「厚年」→2点) | 2.6% |
26年 | 45点 | 4点 (「常識」→3点) | 26点 | 3点 (「雇用」・「健保」→2点) | 9.3% |
25年 | 46点 | 4点 | 21点 | 3点 (「社常」→1点 「労災」・「雇用」・「健保」→2点) | 5.4% |
24年 | 46点 | 4点 | 26点 | 3点 (「厚年」→2点) | 7.0% |
23年 | 46点 | 4点 | 23点 | 3点 (「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」・「国年」→2点) | 7.2% |
22年 | 48点 | 4点 | 23点 | 3点 (「国年」→1点 「健保」・「厚年」・「社常」→2点) | 8.6% |
21年 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点 (「労基・安衛」・「労災」・「厚年」→2点) | 7.6% |
20年 | 48点 | 4点 | 25点 | 3点 (「健保」→1点 「厚年」・「国年」→2点) | 7.5% |
19年 | 44点 | 4点 | 28点 | 3点 | 10.6% |
18年 | 41点 | 4点 (「労基・安衛」・「常識」→3点) | 22点 | 3点 (「労基・安衛」・「労災」・「社常」・「厚年」→2点) | 8.5% |
17年 | 43点 | 4点 | 28点 | 3点 (「労基・安衛」→2点) | 8.9% |
16年 | 42点 | 4点 (「健保」・「厚年」・「国年」→3点) | 27点 | 3点 (「健保」→1点) | 9.4% |
15年 | 44点 | 4点 (「労基・安衛」・「厚年」→3点) | 28点 | 3点 (「労常」・「社労」・「厚年」・「国年」→2点) | 9.2% |
14年 | 44点 | 4点 | 28点 | 3点 (「労基・安衛」→2点) | 9.3% |
13年 | 45点 | 4点 (「常識」→3点) | 26点 | 3点 (「労基・安衛」・「厚年」・「国年」→2点) | 8.7% |
12年 | 49点 | 4点 | 28点 | 3点 | 8.6% |
このように、年度によって各合格基準点は一定程度変動することが分かります。
ざっくり申し上げると、
- 各科目に足切りがなかった
- 択一式・選択式の総合点が7割以上である
の2条件を満たしていれば、合格と考えて間違いないでしょう。
社労士試験終了後から合格発表までどう過ごしたらいいの?
自己採点で「自分は合格だ!」と分かっても試験から1ヵ月ほど先の合格発表日までは何となくソワソワしてしまうものですよね。
けれども、本当に合格と決まるまでの時間も無駄にせず、有効活用していきたいところです。
今までやりたかったことを思いっきり楽しむ!
まずは何て言ったってこれじゃないでしょうか。
1年間の長丁場で色々我慢も重ねて勉強に励んできた、試験に向けて張りつめていた気持ちが試験終了と共に解放感に変わり、更に合格点まで取れていた!
思いっきりご自分をほめてほめて褒め倒して今を楽しんじゃいましょう♪
- 新しく始めたいと考えていたこと
- 試験勉強でストップしていた趣味
- 会いたい人に会いに行く
- 試験後のソワソワした喜びを噛みしめる
これらの全ての時間や楽しみが今まで頑張ってきた自分へのご褒美になるはずです。
ゆっくり休息を取るもよし
- 「まだ新しくやりたいことが思い浮かばない」
- 「燃え尽きて疲れた~」
- 「次のことはじっくり考えていきたい」
これも当然の反応だと思います。
これまで勉強一色でわき目も振らずに頑張ってこられた方は、試験が終わり、急に周りが見えるようになって逆に不安や困惑を感じてしまうかもしれません。
現に私自身もそうでした。
これまで試験勉強を中心に回っていた世界が一変して、合格が見込まれて嬉しいはずなのに、生活リズムが変わりすぎて逆にストレスを感じてしまっていました。
そういう場合は焦らずじっくり生活の一つ一つを丁寧に過ごしていくことで心を落ち着けていきましょう。
- 食事の一口一口を噛みしめる
- ぬるめの湯舟にゆっくり浸かる
- 普段より数分でも寝坊してみる
一旦「頑張らなくてもいい」と思えることも大切です。
合格後の生活・進路を見つめなおす
試験に合格すればいよいよ、社労士と名乗れる瞬間が近づいてきます。
ここで、一旦初心に立ち返ってみましょう。
- 社労士を志したきっかけ
- 試験合格後どうしていきたいか
- この先の理想のために必要なことは何か
- どのような社労士になりたいか
答えが変わっているかもしれないし、変わらず信念が強まっているかもしれません。
試験合格がゴールではありません。
これだけの難関資格ですから、是非ご自身の人生をより良くするために有効活用出来るよう、じっくり振り返ってみて下さい。
各予備校の自己採点を受けてみる
「やっぱり合格発表日まで色々考えちゃう!!」
「マークミスが不安すぎる…」
自己採点で合格と分かっていてもやっぱり正式に確定するまでは、このような不安はぬぐい切れないものです。
それならば、いっその事徹底的にご自身の答案に向き合ってみるのも1つの手ではないでしょうか。
例年各予備校が総力を挙げて解答作成や自己採点分析を行っています。
各自己採点ページに入力し、講師陣の講評を動画視聴することで、自分の試験上の立ち位置が分かってくるはずです。
【自己採点及び講評が見れる予備校一覧】
まとめ:社労士試験後から合格発表までやりたいことを楽しみましょう!
試験が終わった後も喜び、ドキドキ、不安等色々な感情が渦巻いているのではと思います。
それはそう感じるくらい皆さんが試験合格のために頑張られてきた証拠です。
今の自分を丸ごと受け入れて、それぞれの方法で少しずつでも前に向かって、また進めるよう、しっかり心を整えていきましょう。
それでは、また!