今回はこんな方に向けた記事になります！
- 「『青のオーケストラ』が好きである」
- 「『青のオーケストラ』キャラクターの個性や性格、振る舞いの違いを詳しく見たい」
- 「『青のオーケストラ』キャラクターの性格を知ることで、物語の世界観をより深く考察してみたい」
- 「そもそも、性格分析やMBTIがめちゃくちゃ好きである」
- 「アニメキャラの性格診断を活用して他者分析のスキルを高めたい」
- 大人気作品「青のオーケストラ」とは？あらすじ・世界観まとめてみた！
- 登場人物の性格診断、キャラクターの分析・考察に優れた「MBTI」とは
- 【MBTI】「青のオーケストラ」キャラクターの性格診断・分析・考察
- 「青のオーケストラ」要注目の人間関係・キャラ達の相性まとめ【MBTI】
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- まとめ：青オケキャラクター達の性格は豊かな感性の持ち主が多かった！
大人気作品「青のオーケストラ」とは？あらすじ・世界観まとめてみた！
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
『青のオーケストラ』は、全国常連の名門「海幕高校オーケストラ部」での活動をメインに、天才ヴァイオリニストの青野一及びその仲間達の熱いやり取りを描いた、青春群像劇です。
音楽ファンの心を掴む緻密な場面設計だけでなく、高校生ならではの揺れ動く繊細な感情の機微を細やかに描写した作風は、多くの読者の心を掴んでいます。
2023年春からのアニメ放送開始はもちろんのこと、同年1月に第68回「小学館漫画賞」少年向け部門を受賞し、漫画の累計発行部数も300万部を突破するなど、音楽好き以外からも注目を集める期待作であることが良く分かるはずです。
登場人物の性格診断、キャラクターの分析・考察に優れた「MBTI」とは
今回「青のオーケストラ」登場人物達の性格診断及び性格分析を行うMBTIは、世界3大心理学の1つ、ユング心理学に基づいたセオリーで、世界中で活用されている極めてメジャーな手法になります。
- 「思考（Te,Ti)」
- 「感情（Fe,Fi)」
- 「感覚（Se,Si)」
- 「直観（Ne,Ni)」
この①から④までの心理機能を得意なものから不得意なものにかけて4つ並べることで、全部で16タイプの性格に分類・説明できるとされています。
MBTIにおける各16タイプの性格・特性については以下のとおりです。
1. NT型：理論家、分析家（Rational）
- INTJ（Ni-Te-Fi-Se）：立案者、建築家（Mastermind）
- INTP（Ti-Ne-Si-Fe)：建築家、論理学者（Architect）
- ENTJ（Te-Ni-Se-Fi）：陸軍元帥、指揮官（Fieldmarshal）
- ENTP（Ne-Ti-Fe-Si）：発明家、討論者（Inventor）
2. NF型：理想家、外交官（Idealist）
- INFJ（Ni-Fe-Ti-Se）：助言者、提唱者（Counselor）
- INFP（Fi-Ne-Si-Te）：治療者、仲介者（Healer）
- ENFJ（Fe-Ni-Se-Ti）：教師、主人公（Teacher）
- ENFP（Ne-Fi-Te-Si）：優勝者、広報運動家（Champion）
3. SJ型：守護者、番人（Guardian）
- ISTJ（Si-Te-Fi-Ne）：調査官、管理者（Inspector）
- ISFJ（Si-Fe-Ti-Ne）：保護者、擁護者（Protector）
- ESTJ（Te-Si-Ne-Fi）：監督者、幹部（Supervisor）
- ESFJ（Fe-Si-Ne-Ti）：供給者、領事官（Provider）
4. SP型：職人、探検家（Artisan）
- ISTP（Ti-Se-Ni-Fe）：工芸家、巨匠（Crafter）
- ISFP（Fi-Se-Ni-Te）：作曲家、冒険家（Composer）
- ESTP（Se-Ti-Fe-Ni）：発起人、起業家（Promoter）
- ESFP（Se-Fi-Te-Ni）： 演者、エンターテイナー（Performer）
【MBTI】「青のオーケストラ」キャラクターの性格診断・分析・考察
それでは、以上のMBTIの手法を踏まえて、「青のオーケストラ」キャラクター達の性格診断を行っていきましょう！
あなたの知らない登場人物たちの一面が見えてくるかもしれません…!
1. 青野 一 : ISFP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
本作品の主人公、青野一は天才ヴァイオリニストの父「青野龍仁」を父に持ち、良くも悪くもそんな父親の呪縛から解き放たれようと懸命にもがき、苦悩する姿が目立つ人物です。
自身もヴァイオリンのコンクールを総ナメにするほどの実力を持つ一方で、父親の起こしたスキャンダルが原因で、一時は大好きなヴァイオリンからを距離を置いてしまうほど、心を閉ざしてしまっていました。
しかし、そんな彼を取り巻くオケ部の面々や、音楽を通じて出会っていく人々の姿勢や温かい気持ちに触れて、少しずつ青野自身も前を向き、心身共に成長していく過程は必見です。
そんな悩める主人公青野の強みは、自身の内側にある感情を起爆剤にして、困難にも正面から向き合っていける芯の強さだと思います。
普段は大人しく、あまり自己主張をしない青野ですが、一度そのハートに火が付くと、どんな相手にも立ち向かっていく勇敢さや、周囲が舌を巻くほど情熱的でテクニカルな演奏を披露することもしばしば。
一方で、自分と同じように悩みを抱えて立ち止まる仲間には、心から寄り添うことの出来る優しさも有しています。
そんな複雑な感情の中で懸命に光を掴もうとする青野一は、内向的感情（Fi）及び外向的感覚（Se）が優位なISFPと判断します。
【青野一の特徴】
- 物語当初、父親のスキャンダルが心のトラウマとなり、ヴァイオリンだけでなく勉学にも力が入らず、将来から目を背けた行動を取っていた（Fi-Niループ、劣等Te）
- オケ部入部当初は良くも悪くも圧倒的にソリストとして卓越した演奏を披露する。自身の感情の波を武器に気迫のこもった演奏を行う場面が多いが、徐々に次期コンマス候補として周囲の動向にも気を配れるようになりつつある（Fi＞Fe、Seの発達）
- オケ部期待の新人として技術面で注目されるだけでなく、青野自身の穏やかで真面目な人柄が、同級生だけでなく上級生からも愛される要因となっている。また、3年生離脱後の秋のコンクール前には佐久間先輩と対立しながらも、部全体をまとめるような発言もしており、いざという時に行動出来る勇敢さを見せるように（主機能Fi、補助機能Se）
- 高校1年生の夏に佐伯から重要な真実を打ち明けられた際には、あまりのことに現実をすぐには受け入れられず、恐ろしいほど一方的に怒りを爆発させてしまう等、精神的に不安定になった際に理不尽な怒りを周囲にぶつけてしまうことも（劣等Te）
2. 佐伯 直 : INTJ
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
佐伯直は主人公青野に匹敵するヴァイオリンの腕前を持ち、オケ部の良きライバル兼友人として共に高め合っていく姿がよく見受けられるキャラクターです。
マイペースかつ行動面でも感情面でも掴みどころのない人柄で、現実に悩むことの多い青野とは対照的に、一見すると自由で何でも器用にこなしてしまうような天才肌的な印象を周囲に与えているのではないでしょうか。
そんな若干天然系にも思われる佐伯の強みは間違いなく、自身の理想を信じ、それを実際に形にすることの出来る信念でしょう。
自分の存在が青野に悪影響を及ぼす可能性を理解しつつも、それでも共にヴァイオリンを奏で、より良い音楽を作り上げたいという夢に胸を躍らせ、実際に言語や文化の壁を越え、夢を成し遂げたのは、一重に佐伯の意志の強さと努力の賜物と言えます。
何事にも頓着しないように見えて、実は自身の理想を叶えるためならば何だってしようとする熱いハートの持ち主である佐伯は、内向的直観（Ni）及び外向的思考（Te）が優位なINTJと判断します。
【佐伯直の特徴】
- 落ち着いた物腰で淡々と我が道を行くスタイル。その一方で非常に負けず嫌いな一面もあり、特にライバルの青野とは演奏を通じて心理的な駆け引きを行うこともしばしば（内向型、Te優位）
- 閃きに満ちた天才肌のヴァイオリニストで、これまで自身の経験してきた数々のイメージを瞬間的に集約して、その曲に相応しい表現方法を容易く提示することができる（主機能Ni）
- 自身より目上の上級生やプロに対しても一切臆することなく、自分の意見や信念を主張し、理想を追求する豪胆さを見せる。また時折「欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れる」というような強気な発言を行うことも（Ni-Te）
- 自身の複雑な血縁についても、簡単に「過去はどうでもいい」と割り切る姿勢を見せる。むしろ、自身と青野との繋がりを知った際には将来のことに想いを馳せ、現在に続く原動力となる等、未来志向な一面が目立つ（直観＞感覚）
- 青野に家族関係のことを打ち明ける決断をした様子は明らかに内向的直観Niのそれである（感覚優位なら現実的に衰弱した青野の心身の回復を優先させる可能性が高い）
3. 秋音 律子 : ESTJ
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
秋音律子こと、りっちゃんは本作のヒロイン的存在で、明るくハキハキした正義感溢れる少女です。
曲がったことや道理に合わないことを嫌い、どんなトラブルにも真正面からぶつかっていくだけの勇気があり、学級委員長のような優等生の一面が目立ちます。
そんな自身の生真面目さが災いして、難しい中学校生活を強いられていた時に習い始めたヴァイオリンを通じて青野との交流が始まりました。
名門海幕オケ部にほぼ初心者同然で入部してからも、その前向きに努力を継続する姿勢でメキメキと腕を上げ、周囲に良い影響を与えています。
そんな逆境をものともせず、目標に向かて突き進むりっちゃんは、外向的思考（Te）及び内向的感覚（Si）が優位なESTJと判断します。
【秋音律子の特徴】
- 成績優秀かつ運動神経にも優れた一面が目立ち、物事全般的にそつなくこなせる要領の良さを持ち合わせている。加えて人の上に立つ才能も有り、クラスやグループを引っ張っていくだけの統率力もある（感覚＞直観、主機能Te）
- 非常に努力家で、相手からの指摘を真摯に受け止め、自分の血肉にしようと励む傾向にある。実際初心者の多い2ndヴァイオリンの中でも頭一つ抜き出た存在になりつつある（Te-Si）
- 思ったことを容赦なくズケズケ口に出すタイプだが、心根は優しく、いじめやはみ出し者の存在を身体を張って守ろうとする正義感に満ち溢れている。（Te-Si）
- 自身の感情の機微に疎く、無意識での青野への積極的なアプローチ等、感情より先に身体が動く傾向にある。悩みへの向き合い方も主機能Fiの青野やハルとは対照的で、とにかく問題解決のために懸命に行動を起こそうとする（劣等Fi）
4. 小桜 ハル : INFP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
秋音と並ぶヒロインポジションで、青野達と同じく海幕オケ部の1stヴァイオリンに所属する同級生、小桜ハルは大人しい性格ながらも自分の軸を持っているキャラクターです。
INFPのお約束といっては何ですが、ハルは今後確実に化けると思います。世界ジュニアコンクールでも何らかの起爆剤がありそうな予感ですね。
中学時代には凄惨ないじめを経験しており、青野とは別ベクトルで深い心の傷を抱える様子が見受けられますが、周囲の仲間やヴァイオリンの存在が着実にハルを成長させています。
個人的に、対照的な性格ながらも互いを理解し合うりっちゃん（ESTJ）との友情はとても美しいと思います。青野をめぐる恋の三角形も勃発し、その友情もどう変化していくのか、どんな葛藤をぶつけ合うのか、見ものでしかありませんね。
遠慮がちながらも理想を現実にしようと自分のやり方で成長し続けるハルは、内向的感情（Fi）及び外向的直観（Ne）が優位なINFP（4w3）と判断します。
【小桜ハルの特徴】
- 奥ゆかしく他者より一歩引いたところから周囲の様子を伺う姿が目立つが、ここぞという時には譲らない芯の強さがある（内向的、主機能Fi）
- 細やかな気配りが出来る性格で、そんな性格が繊細で美しいヴァイオリンの音色にも表れている。「くるみ割り人形」や「サムソンとデリラ」での演奏でも分かるように、物語の登場人物の感情やイメージをかみ砕いたうえでの抒情的な表現力にも優れている（Fi-Ne）
- 幼少期のヴァイオリンのコンクール時から青野とは面識があり、その際に青野に言われた一言を胸にヴァイオリンを頑張ってきた経緯がある。（Fi-Ne）
- 読書やホラー鑑賞が趣味で、物語性が強いものや非現実的な要素にも興味を示す傾向にある（Ne優位）
5. 山田 一郎 : ESFP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
海幕オケ部の仲良し5人組（青野、佐伯、りっちゃん、ハル、山田）の中でも良い意味で圧倒的にチャラくて軽くて、ムードメーカー的な役割を果たしている彼、山田は外向的感覚（Se）及び内向的感情（Fi）が優位なESFPと考えます。
そんな彼ですが、心の葛藤を抱えて自分の内部に引きこもっていきがちな友人たちを温かく支える、お兄さん的な立ち位置が目立ちます。中学時代から言語の壁がある佐伯と付き合ってきただけあって面倒見の良さはピカイチです。
ほぼほぼ初対面でも簡単に相手と打ち解けられるようなところも、山田の圧倒的なコミュニケーション強者であることを感じさせます。
もっと山田が主役になるような展開で、彼の軽やかで大人びた内面が掘り下げられるような描写があれば良いなと期待せざるを得ませんね。
【山田一郎の特徴】
- 女子の多いオーケストラ部に入り、あわよくばモテたいと考えている節がある。人好きな性格で、初対面から相手との距離感が近い（主機能Se、感情優位）
- 割と普段は軽い言動や冗談が多いが、困っている人に手を差し伸べずにはいられない優しさを有している。佐伯や青野のこともよく気にかけ、演奏面でも人間的な悩みの面でも力になる存在である（Se-Fi）
- 視野が広く、周囲のことをよく観察できる性格。ソロでの腕前も確かだが、オーケストラ部員としての協調性や音合わせの技術にも長けている（主機能Se）
6. 立花 静 : ESTJ
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
同じくESTJの秋音を更に厳格かつツンツンデレにした少女が、海幕オケ部で2ndヴァイオリンを担当する立花です。
初心者や仲間同士のなれ合いにも容赦なく檄を飛ばす場面が目立つ彼女ですが、その根底には中学時代の苦い経験があるのでしょう。
自身が優秀かつ高みを目指す性格であるからこそ、周囲も引き上げていくために一生懸命厳しく指導を行うのですが、それがあまりにも全体の感情を度外視しているのですね。
立花自身もそんな中学時代に上手くいかなかった原因を分かっていて、海幕オケ部ではより縁の下の力持ちである2ndヴァイオリンのパートを所望し、別ベクトルからオケを支えることで自身の見識を広めようとしたのかもしれません。
同タイプで同じように中学時代にクラスのリーダーとして空回りして孤立する経験をしたことのある秋音とは、当初こそバチバチにやり合いますが、徐々に心の底から分かりあえる関係性になりつつあります。
【立花静の特徴】
- 非常に真面目で自分にも他者にも厳格。リーダーシップもあり、周囲のことをよく考えて接してはいるが、感情的な不器用さ故に誤解されがちでもある（Te-Si、劣等Fi）
- いつも気を張っていて素直ではなく、周囲からの賞賛の声には顔を赤らめることも。中学時代のこともあって佐久間との関係に心を悩ませる年相応の脆さもある。怒りが彼女の心の鎧なのかもしれない（主機能Te）
- 細やかで仲間のことをよく見ており、的確なアドバイスが出来る。当初秋音と執拗にぶつかっていたのも、秋音の自分のことしか考えない演奏に過去の自分の幻影を見てもどかしく感じていたことから、きつい言い方になっていたためである（Si優位、同タイプ同士の同族嫌悪（ESTJ））
7. 原田 蒼 : ENFJ
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青野達の学年が海幕オケ部に入った当初から、心技共にカリスマ的な実力で、後輩たちから羨望の眼差しを一身に集めたのが、コンマスを務めるこの原田です。
誰に対しても穏やかかつ優しい物腰で、演奏や部員の気持ちをまとめ上げる能力もピカイチです。コンマスにふさわしい逸材としか言いようがないでしょう。
また、優しいながらも言うことはハッキリ言える人物でもあり、軽妙で自由人な次期コンマスの後輩羽鳥（ESTP）に対しては「お前の中途半端な姿勢がみんなの努力を邪魔する」と強い言葉で指摘することで、羽鳥自身に次代オケ部を担う責任感を目覚めさせています。
そんな誰からも慕われ、海幕オケ部の支柱として存在感を発揮した原田は、外向的感情（Fe）及び内向的直観（Ni）が優位なENFJと判断します。
【原田蒼の特徴】
- 爽やかな笑顔の目立つ明るい好青年で、女子生徒を中心に彼のやることなすこと素敵に見えることから「原田マジック」と言われることも。外見や行動だけでなく性格の面でも、誰に対しても分け隔てない優しさを与えることの出来る人物である（主機能Fe）
- 弦のパートリーダー同士での話し合いの際に、ドヴォルザークの「新世界」の解釈で意見が割れて争いになりそうな時の、全員の感情に訴えかけるような想いの誘導と皆が納得しやすいイメージに関連付けての話術が秀逸（Fe-Ni）
- 真面目であまり冗談を言わないタイプでもあり、そこをオケ部顧問の鮎川先生（ENTJ）に茶化されている。それと同時に、演奏中他の奏者の感情や状況把握に優れ、言葉なしに絶妙にまとめ上げる手腕に関しても、先生から絶対的な信頼を得ている。（Fe-Ni）
8. 羽鳥 葉 : ESTP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
練習の厳しいオケ部とダンス部を平然と兼部し、そのことで部員や顧問から嫌味を言われようが、青野や佐伯といった有能な後輩に追いまくられようが、どこ吹く風で飄々といなしていく羽鳥は、青オケ作品随一のメンタル強者でしょう。
チェロの山田（ESFP）と同様、羽鳥も主機能Seらしく誰に対してもオープンでかなり軽やかな性格をしており（あとチャラい）、身体を活用したスケールの大きいダイナミックな演奏に定評があります。
周囲からその散発的な行動を色々言われることの多い羽鳥ですが、彼には彼なりの考え方やポリシーがあって我が道を行くのでしょう。自身の欲求を満たしつつ、オケ部花形のコンマスまで手中に収めることの出来るポテンシャルは、控え目に言って要領の良い天才のそれです。
今後二刀流で得てきた経験を演奏に還元出来ているようなエピソードが出てくると、ますます彼の魅力が高まりそうですね！
今後の海幕オケの動向に大きな影響を与えるであろう羽鳥は、外向的感覚（Se）及び内向的思考（Ti）に優れたESTPと判断します。
【羽鳥葉の特徴】
- いつも明るく飄々としており、良い意味で感情の起伏が少なく落ち込みづらい。感情は感情であり、問題は問題であると冷静に処理できるタイプ。（Se-Ti、思考＞感情）
- 華やかな自身の外見ももちろんのこと、オケ部にダンス部の兼部といった、五感をふんだんに活用する行動に目がないことが分かる（主機能Se）
- 3年生引退後はコンマスを務めるが、不安定な部員の関係性を改善しようと色々と後輩を気遣う面倒見の良さも見られる（代替Fe）
- 前コンマス原田（ENFJ）がメンバーの感情や演奏の流れを読んで一つにまとまるよう誘導していくやり方だったのに対し、羽鳥は「よく動くコンマス」とされ、全身で軽やかに音楽を表現し、視覚的にも周囲が明確に理解出来るように率いていく奏法を行う（Se-Fe）
9. 裾野 姫子 : ISTJ
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
青野達の1つ上の学年で、3年生引退後の1stヴァイオリンのパートリーダーを務める先輩が裾野（ひめちゃん）です。
後輩に対しても優しく頼もしいしっかり者の先輩であると同時に、同学年で何かと浮きがちなコンマス羽鳥に対しても甲斐甲斐しく世話を焼いてやる姿が目立ちます。
責任感が強く真面目な性格で、3年生が引退してメンバー同士の軋轢が生じた際にも、部の運営が上手く軌道に乗るよう、滝本の件等あれこれ気を回していました。
個性的なメンバーが多い2年生の中でも常識的かつ良心的な存在である裾野は、内向的感覚（Si）及び外向的思考（Te）が優位なISTJと考えます。
【裾野姫子の特徴】
- 自由人の多い2年生の中でもしっかり者で、部をまとめるリーダー的素質がある。単なる1stヴァイオリンのパートリーダー以上の緩衝材としての役割を果たしている。自身もコンミスに手が届くほどの実力があり、真面目に部活動に取り組んでいる（Si-Te）
- オーディションの際など、あれこれ思い悩みいざという時に極度の緊張を強いられる傾向にある。そんな一方で自分の実力を発揮したいという負けず嫌いな一面も垣間見せる（劣等Ne、Te優位）
- 滝本のパートリーダーの件では、同じヴァイオリンのパートリーダーとして友情や感情的な事柄よりも部の安定した運営のために厳しい判断を迫る姿が見られる。一方、その後の滝本と友人としてのプライベートな電話の際に自身の想いを爆発させるシーンは必見。（Si-Te、代替Fi）
- 羽鳥に対して特別な感情を有しているようで、日ごろから面倒を見てやるだけでなく、調理実習で焦げた自身のクッキーを羽鳥が美味しそうに食べているところをモジモジと照れている。
ひめちゃん可愛いよひめちゃん（代替Fi）
10. 滝本 かよ : ENFP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
当初は青野と同じ1stヴァイオリン所属の2年生で、3年生引退後はその腕前と明るさから2ndヴァイオリンのパートリーダーに抜擢された滝本ですが、家庭の事情とパートリーダーとしての重責に雁字搦めにされて苦しい立ち位置を迫られます。
定演直後あたりまでは、彼女本来の人懐っこくお茶目で陽気な性格が目立ちますが、オケ部代替わり直後から一変し、前述の理由から憂鬱で部活にも勉学にも身が入らない様子を周囲からも散々に攻め立てられます。
そんな中で彼女が下した決断と、前を向くために自分の価値観を取り戻していく経緯は一見の価値ありです。
社会経験も未熟で、少しでも周囲と外れたことをすると後ろ指をさされやすい学校生活の中で、そんな圧力に負けず自分自身の将来と価値観を明確にした滝本は勇気ある人だと思います。それでいて、オケ部に与えるダメージも極力最小限に留めている配慮も立派です。
以上の傾向から、滝本は外向的直観（Ne）及び内向的感情（Fi）が優位なENFPと考えられます。
【滝本かよの特徴】
- 基本的には明るく天真爛漫で、多くの友人と楽しくつるんでいたり、興味のある後輩である青野をよくいじったりと、人との距離感が近い傾向にある。（外向的、Ne-Fi）
- 家業を継いで医師を目指すことを強いられており、定演後に部活を引退することを母親から求められていた一方で、オケ部では2ndヴァイオリンのパートリーダーになることを求められ、自分の感情や価値観を無視して一生懸命周囲の期待に応えようと奮闘することでかえって無気力になり失敗するという悪循環に陥っていた（Ne-Teループ）
- 上述の理由から不健全な状況となったことで、部活の朝練をサボりがちになり、授業も上の空で、塾の遅刻も目立つようになった（Siグリップ）
- 青野（ISFP）との会話で自身の感情や価値観と向き合う重要性に気づく。その結果、コンクールまではパートリーダーとして真剣に取り組み、以後は医学部受験に集中するために、籍だけ残して活動を終了する決断を下した（補助Fi）
11. 佐久間 優介 : ENTP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
定期演奏会を終え、優しく頼もしい3年生が引退した後、突如彗星の如くその存在感を露わにしたキャラクターがこの佐久間です。
青野達より1年先輩でパーカッションのパートリーダーを務める彼ですが、弦楽器に対しても容赦なく代替わり直後の危うい状況を厳しく指摘します。
その鋭い指摘ももちろんのこと、いちいち佐久間の言い方がえげつないんですね。おそらく彼も敢えて自分が悪役になることで、相手が奮起するように心をえぐりに行っているのでしょう。
というのも同じ中学出身の立花の回想ではそんな嫌みったらしいシーンは出てきませんし、佐久間自身も後輩の立花に重荷を背負わせ、苦しい思いをさせたことを後悔し、現在のような厳しく干渉していくスタイルになったことが示唆されています。
弦だけでなく管からも最高にヘイトを集める佐久間ですが、そんな彼の存在が3年生不在の海幕オケ部を確かにまとめ上げることに一役買っているんですね。
問題の本質を見抜く力もさることながら、同中の先輩原田（ENFJ）とはまた違った方向で集団心理のコントロールに長けている点は、まさしく策士としか言いようがありません。
そんな佐久間は、外向的直観（Ne）及び内向的思考（Ti）が優位なENTPと考えます。
【佐久間優介の特徴】
- 頭の回転が速く、巧みな話術と併せて吐き出される指摘はカミソリのような切れ味があり、良くも悪くも相手の感情を動かすことに長けている。また、自分から相手に議論を吹っ掛けに行く積極性が目立つ。大勢で思考し、意見を言い合う環境を望む発言も見られる（Ne-Ti、Ti-Fe軸、主機能Ne）
- 平然と相手に対して「嫌い」「気に入らない」等の発言をするがあくまで理性的であり、単に好き嫌いではなく「オケ部全体の発展のために相応しくない、未熟な存在である」といったニュアンスが強いと考えられる。（Ne-Ti 思考＞感情）
- 中学時代の後輩立花と秋音のデュエットのリズムをそっと取ってあげたり、コンクールまで多くのぶつかり合いを経験した青野に対してもちゃんと認める発言をするなど、不器用な優しさを示すことも（Ne-Ti 代替Fe）
- 途中で退部したメンバーをこき下ろしたり、複雑な家庭環境に苦しむ滝本にも厳しい対応をする等、個人より部の都合を優先する全体主義的な傾向にある。他者に対して厳しいことをいうだけあって、自身も非常にストイックに練習を重ね、精密な演奏を行う（Fe＞Fi、Si＞Se、推定5w6のため比較的Siも活用できるENTPか）
12. 武田先生 : ESTP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
武田先生は中学時代の青野の担任で、別クラスで保健室登校の秋音のことも気にかける等、気さくながらも頼もしく情に厚い一面が目立つ先生です。
父親のスキャンダルがあり、すっかり生きる気力を無くしてしまった青野の姿と、武田先生自身も中学時代に大事な柔道の大会で敗退し、未来が閉ざされてしまった時の心境を重ね合わせて、親身にアドバイスを送ります。
そして、落ちこぼれで進路決定すらままならないヴァイオリンの天才青野と、勉強が出来るけれどヴァイオリン超初心者の秋音の繋がりが良い相乗効果を生み出すことを見越して、両者の橋渡しをそれとなく行い、見事2人とも立ち直り海幕高校に合格するという快挙を成し遂げるのです。
自身も海幕高校オケ部のOBで高校入学後もそれとなく見守る太陽のような温かさがあります。特に母親が入院し、佐伯とも衝突した後の傷心の青野を励ますシーンは元先生と生徒を超えた懐の広さと神々しさがあります。
そして、高校時代からの腐れ縁、鮎川先生との気の置けない会話や回想シーンではヤンチャな素顔も覗かせます。
そんな武田先生は外向的感覚（Se）及び内向的思考（Ti）に優れたESTPと考えます。
【武田先生の特徴】
- 別クラスの秋音がクラスで浮きがちなところをいち早く見つけ、担任に代わって適切な処置をする等、状況の把握と対応が早い（Se-Ti）
- 中学時代は柔道で名を挙げており、身体能力の高さや勝負強さが伺える。また、高校ではオケ部、大学では再び柔道に向き合い、中学で体育教師を務める等、身体的な刺激の多い活動に興味を持ち、選択してきたことが分かる（主機能Se）
- おちゃら気ながらも困難を抱える生徒には真摯に向き合い、保護する頼もしさがある。学生時代は割とヤンチャで、オケ部の同期で優秀な鮎川に絡みに行ったり、体力自慢をしたりと負けず嫌いな一面も目立つ（代替Fe、Se-Ti）
13. 鮎川先生 : ENTJ
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
名門海幕オケ部の顧問を務め、その厳しい指導と孤高のオーラで生徒たちから畏怖の念を集める鮎川先生ですが、決して恐怖政治にはならず、締めるときには締め、褒めるときにはしっかり褒める、生徒たちのモチベーションの維持が恐ろしく上手な指導者であることが分かるはずです。
真面目な生徒に対しては茶目っ気たっぷりにいじってリラックスさせ、反対に練習に身の入らない生徒や期待値の高い生徒に対しては、敢えて突き放して気づきを与える姿は、部員一人一人のことをしっかり把握し、全体のバランスを理解したうえでなければ出来ない芸当でしょう。
原田達3年生が引退した後、コンクールまで日がない中、自主性の薄い生徒たちの成長を見越して自身は口を挟まず見守ることに徹している対応等、ボスとして有能としか言いようがありません。彼の手腕あってこその全国常勝軍団なのだと確信できます。
緩急織り交ぜた絶妙な指導方法と溢れる自身のカリスマ性から、鮎川先生は外向的思考（Te）及び内向的直観（Ni）に優れたENTJと考えられます。
【鮎川先生の特徴】
- 名門オケ部の顧問として、毎年日本一と言えるレベルの実績を上げるだけの手腕とマネジメント能力を持つ。生徒一人一人の素質を見抜き、それぞれに合った指導を行う。ジュニアから有名な青野に対しても、あえて名前を知らない振りをして焚き付け、本気を出させるように仕向けるなど、策士な面が目立つ（Te-Ni）
- 自身も海幕オケ部OBであり、高校時代から頭一つ飛びぬけた成熟ぶりとエリート感漂わせる振る舞いがそれとなく描かれている。現在も厳しさが目立ち、孤高の存在感を放っているが、決して独り相撲ではなくオケ全体を把握する俯瞰的な視点とバランス力に長けている（主機能Te）
- 真面目な原田（ENFJ）への無茶ぶりやコンクールリハーサルでの手酷いぶっちゃけトーク等、オケの士気や団結力を高めるためとはいえ、真顔で結構なブラックユーモアを飛ばす（Te-Ni 劣等Fi）
14. 青野龍仁 : ESTP
© 阿久井真／小学館／ＮＨＫ・ＮＥＰ・日本アニメーション
日本屈指の名ヴァイオリニストとして、国内だけでなく世界を股にかけて今なお活躍を続けているのが、主人公青野の父である青野龍仁です。
息子の一に対しても厳しくも情熱的なヴァイオリンの英才教育を徹底的に施し、ジュニアで名の知れた存在にまで成長させます。
回想を見る限り圧倒的なヴァイオリン馬鹿でそれ以外には割と無頓着なタイプなのでしょう。下手したら家族を大いに苦しめたスキャンダルも彼にとっては刹那的なもので、芸の肥やし程度に考えている可能性があります（家を出ていくときに一にかけた言葉がヴァイオリンの件というのも、神経逆なでも良いところなのでは）。
作品スタート時点から自身のスキャンダルでお騒がせしてきている龍仁ですが、早く息子の青野＆佐伯と何らかの顔合わせイベント等欲しいところですね！
スキャンダルがあっても音楽界の強者であり、自身の息子もヴァイオリンで花開くよう育て上げた青野龍仁は外向的感覚（Se）及び内向的思考（Ti）に優れたESTPと考えます。
【青野龍仁の特徴】
- 世界に通用するヴァイオリニストで、その名声をほしいままにする実力者。一へのヴァイオリンの英才教育は徹底的に施し成果を挙げるが、それ以外の家のことは配偶者に任せきりとのこと。興味のあることだけに抜きんでたピーキーなタイプ（Se-Ti）
- 回想で一にヴァイオリンを指導する姿は厳しく感情を度外視しており、明らかに思考型。それも客観的な判断軸というよりも、自身がプロとして培ってきたパターンや戦略を五感を交えて叩きこんでいる感じである（Se-Ti）
- スキャンダルの対象であった佐伯の母や子である佐伯自身との交流はほぼ無かったようなので、おそらくスキャンダル（不倫）は本人にとっては後先考えない一夜の過ちであった可能性が高い。また、スキャンダルに対して一達家族に謝る描写もないことから、反省の念や家族愛的な情もあまり感じないか表にしないタイプなのだろう（劣等Ni、代替Fe）
15. その他「青のオーケストラ」登場人物のMBTIまとめ
その他にも、青のオーケストラには作品を彩る様々な魅力的なキャラクターたちが登場します。
彼らの魅力にもざっくり触れていきましょう！
①立石真理：ISFJ
青野達が入部した際の海幕オケ部の部長を務めていた人物です。
知的でお淑やかな雰囲気をまとい、どちらかと言えばコンマスの原田やその他の賑やかなメンバー達の陰に隠れがちなタイプではありますが、100人を超える部員たちを1年間まとめてきた手腕はたいしたもので、実務も堅実にこなす優秀さがあります。
毎年オケ部の定演の練習や進学校としての勉学に追われ、夏の海を夢見ながらなかなか行けないでいるもどかしさを心に秘めていたようです。そんな彼女が最後の定演では「自分だけの海」を見つけ、仲間の存在に感謝し胸いっぱいになるシーンは必見です。
②米沢千佳：ESFJ
米沢は2ndヴァイオリンのパートリーダーを務める3年生で、初心者が多いこのパートのメンバーに明るく優しく寄り添う太陽のような存在です。
気が強い秋音と立花（共にESTJ）が事あるごとに衝突していた際には、優秀で何でも要領よくこなす立花に対して、立花の心のモヤモヤを丁寧にヒアリングすると同時に「足が速い子だから皆にも上手に教えてあげられる」と背中を押しています。過去にその手のトラウマを抱える立花としても非常に心強い助言だったのではないでしょうか。
そんな細やかな気配りができ、周囲のメンバーの心をまとめ上げることに長けた米沢だからこそ、同じく大勢の感情や演奏の流れを読むスペシャリストであるコンマスの原田（ENFJ）ともよい協調関係を築くことができ、オケの大所帯であるヴァイオリンパートの安定感を強固なものに出来ていたのでしょう。
③町井美月：INFP
3年生でコンマス原田の横で次席奏者としての役目を果たした町井は、物事を多角的に捉えることの出来る視野の広い人物で、将来のコンマス候補として団体の中での演奏に悩む青野に対しても、自身の経験や価値観を踏まえて的確なアドバイスを行います。
人前に出て行って物事を取り仕切るような性格ではなく、同パートの青野や小桜の心にも1対1で向き合うような思慮深さと高い共感力を持ちます。
じっくりと一人で読書を行い、非現実世界の物語を好む傾向や、多様な価値観を持つ人々が集まる市民オーケストラに参加し、ヴィオラ等にもチャレンジして造形を深めていく行動は、内向的感情（Fi）及び外向的直観（Ne)から影響を受けているのではと考えます。
④高橋翼：ESTP
チェロのパートリーダーを務める高橋は、和気あいあいとした3年生の弦のパートリーダーたちの中でも、物事をはっきり主張し争いも辞さないようなアグレッシブな一面を持つ、異色の存在です。
演奏スタイルもスピード感のある迫力重視の演奏を好む傾向があるようで、彼女の性格がはっきり出ているといえるでしょう。同じくチェロの山田いわく、その指導方法も熱血で厳しいとのこと。
一方で引退後も2年生の後任（推定ISxJ）に対しては、「自分のやりやすいようにやれ」と寛容な態度を示すと同時に、1年生の後輩山田（ESFP）に対してはどつきながらもエールを送る等、姉貴的な面倒見の良さがキラリと光る人物でもあります。
⑤筒井俊樹：ISFJ
筒井は3年生引退後の海幕オケの部長として、次世代の部を背負って立つ存在として注目されています。
ポスターの掲示の修正や、ボードの文字の美しさ等、真面目で細かな点にも目が行き届く性格であると同時に、人に対してもかなり気を遣うタイプなのでしょう、なかなか強い主張が出来ず、説得力に欠ける姿も見られます。
そんな彼ですが、体育祭の部活対抗リレーでは運動が苦手ながらもアンカーとして一生懸命その責務を果たそうとする熱い姿も見られました。
困難を乗り越えてのコンクールの素晴らしい成績も、彼の部員に対する細やかな気遣いや根回しが少なからず良い影響を与えていたと考えられます。
⑥東金梨香：ESFP
東金は2年生のトランぺッターで管のパートリーダーも務める気の強い美女です。
同学年の佐久間の嫌味に辟易しており、感情的なやり取りをすることもしばしば。そんな中で青野まで便乗して佐久間に立ち向かっていったため、彼女は大いに喜び青野のことを可愛がっていました。
佐久間曰く、東金は割と自分に甘いタイプとのこと。確かに自身の感情に素直で外部からの刺激に対しても敏感に反応する場面が目立ちます。
今後の彼女自身の成長や、他の部員との関係性の深堀りが待ち望まれるところです。
⑦青野母：ISFJ
青野母は、夫のスキャンダルによる家庭崩壊を一人で必死に食い止め、心にトラウマを抱える息子に対しても優しく寄り添う芯の強さを持つ女性です。
女手一つでの切り盛りは大変だろうに、そんな素振りも見せずに明るく息子や秋音を見守る姿勢には脱帽せざるを得ません。
自身の体調不良を抱え込んで倒れるほどの我慢強さや、明るい性格ではあるものの外部に対して自身から主体的に行動を起こすタイプではないことから、ISFJと判断します。
「青のオーケストラ」要注目の人間関係・キャラ達の相性まとめ【MBTI】
ここまで、青のオーケストラ各キャラクターの性格診断、分析及び考察を行ってきました。
続いて、そんな青オケキャラ達の中でも特に魅力的で素敵な人間関係や相性についてピックアップしてみていきたいと思います！
1. 青野、佐伯、秋音、小桜、山田の同学年仲良し組（Te-Fi軸共通）
主人公青野と仲の良いオケ部1年生5人なのですが、以下のとおり全員思考・感情を司る心理機能（合理的機能）にTe-Fi或いはFi‐Teを使用する性格タイプであることが共通しています。
- 青野：ISFP（Fi-Se-Ni-Te)
- 佐伯：INTJ（Ni-Te–Fi-Se）
- 秋音：ESTJ（Te-Si-Ne-Fi)
- 小桜：INFP（Fi-Ne-Si-Te)
- 山田：ESFP（Se-Fi–Te-Ni）
心理機能Te及びFiを使用する傾向にあるタイプは、同調や調和を求められる社会の中において、良くも悪くも特別な存在感を放つことが多く、個性的な主張が目立ちます。
- ヴァイオリンの天才として一般人と異なる自身のアイデンティティに翻弄される青野
- 複雑な家庭環境と多様な文化の背景を持つマイペースな佐伯
- 中学時代クラスで異質な存在として抵抗・排斥の経験のある秋音、小桜
- 開放的で様々な背景のある友人に対して深い理解を示す山田
海幕オケ部も一般的な強豪校の部活動と違わず、
- 「原則全員参加の厳しい練習スケジュール（欠席すると浮く）」
- 「オケとして当然個性よりも周囲との美しいハーモニーが求められる」
といった、組織の足並みを揃えることを良しとする風潮があります（xSFJが輝く環境）。
そんな組織なので、当然このTe-Fi軸を有する5人も「ソロの演奏をしている」「演奏中独りよがりだ」等ボロクソ言われることがあったり、周囲と自分の価値観の違いにいちいち立ち止まることが多いわけです。
人一倍障害を抱えやすい彼ら5人が、その度に一人で抱え込んでいた問題に向き合い、ぶつかりながらも互いに協力して乗り越えていく、その過程がこの作品にほんのりビターで爽やかな読了感を与えることに一役買っていることは間違いありません。
2. 青野 一 ＆ 佐伯 直（コンマス候補組＆同心理機能使用）
1年生の1stヴァイオリンの中でも将来のコンマス候補として抜きんでた才能を示す青野と佐伯ですが、活用する心理機能を比較すると、順番こそ違えど4つとも同じ心理機能をメインとして使用する、共通点が見えてきます。
- 青野：ISFP（Fi-Se-Ni-Te)
- 佐伯：INTJ（Ni-Te-Fi-Se）
16タイプ診断で有名な「16TEST」では同じ心理機能を使用する16タイプを4分割した「アニマ」という定義を使用して、同一心理機能グループごとの傾向を示しています。
青野と佐伯の属する「風のアニマ（ESFP、ISFP、ENTJ、INTJ）」は4アニマの中で最も自由で独立心が強く、自身の価値観や夢を大切にしながら、それを実現するために奮闘することが出来る人々と言えます。
両者とも一人で自身の内的世界を感じながら演奏を行う傾向にあります。元々ソリストであったことも関係していると思いますが、彼らの性格が元来ソロ向きでもあることは、作中からも読み取れます。
傍から見れば青野も佐伯も、ヴァイオリンの練習等好きなものには一直線で黙々と研鑽を積む口数の少ない大人しい生徒でしょう。
そんな彼らの性格の違い（心理機能の順番の違い）が明確に表れているのが、佐伯の打ち明けによって両者の家族の真実が明るみに出たときでした。
恐ろしく率直に自身の怒りの感情や欲望を口にする青野（Teグリップ）と、客観的に自分の存在が周囲に与えてきた影響を理解しており、だからこそ青野との悲観的な将来に雁字搦めにされ、素直に自分の気持ちを表現できない佐伯（Ni-Fiループ）のコントラストはすさまじく、鮮やかです。
そんな大きな衝突も乗り越えて「一緒にヴァイオリンを弾きたい」と心を一つにした青野と佐伯の今後の成長と心理機能の面でのシナジーが非常に楽しみなところですね。
3. 秋音 律子 ＆ 立花 静（2ndヴァイオリンのESTJコンビ）
青春モノらしく、互いの感情や主義主張をバチバチに戦わせ合う今作品において、その激しさゆえに読者にすら恐怖心を抱かせるのが、この秋音と立花の対立でしょう。
互いを認め合った今こそ、信頼関係の基盤の上での不器用かつ率直な言葉の掛け合いを微笑ましく見ることができますが、オケ部加入当初の2人の関係性は最悪そのものでした。
正義感が強く、客観的に見ておかしいと思われる事柄は徹底的に改善しに行くESTJ同士だからこそ、同時に自分と似た存在の欠点に目が行きやすく、尚更是が非でも正したいと考えるのでしょう。
立花は秋音の練習の努力を発揮できず、自分本位で周囲にも悪影響を与えかねない演奏を、過去の自分の振る舞いと重ねていら立ちを覚えている一方で、秋音はあまりにも同じパートのメンバーの感情を度外視し、生産性すら下げそうな立花の言葉の選び方が異常だと怒りを露わにしていました。
それぞれ視点は違えど、全体の利益のために一生懸命な二人だということが分かるはずです。そのやり方の圧が強いだけで。
さらに時は進んで、コンクール直前の調理実習の際には、互いに自分たちの苦手とする「他者との距離の取り方」について真剣にぶっちゃけトークも繰り広げられます。故意でなくても、それぞれ傷つけあいながら正解を模索する2人のコミュニケーションは、胸を突くものがあります。
似た者同士だからこそ分かることも多い。特に主機能Te同士が忖度せず直球でトゲの鎧ごとぶち当たっていく姿は最高に熱くて、なかなか他タイプでは出来る芸当ではないと思うのです。
4. 秋音 律子 ＆ 小桜 ハル（親友＆MBTI正反対コンビ）
りっちゃんとハルは高校入学前からの親友で、両者の性格は正反対だからこそ、それぞれの良いところを尊重して良好な関係を築き上げています。
- 秋音：ESTJ（Te-Si-Ne-Fi)
- 小桜：INFP（Fi-Ne-Si-Te)
気の強いりっちゃんはいじめのターゲットにされるのも厭わず、友人のために声を上げることの出来る勇敢な性格で、一歩引いてしまいがちなハルの目には頼もしいヒーローのように映っていたことでしょう。
反対に、お淑やかで優しく相手の話を聞くことが出来るハルは、得意のヴァイオリンでも彼女ならではの繊細な音色と表現力で独自の世界を創造します。
そしてそんなハルの姿に魅力を感じてりっちゃんも苦境の中でヴァイオリンを手にすることになったのです。
そんな麗しい友情関係を有する二人ですが、両者は青野を巡る恋のトライアングルに足を踏み入れつつあります。
- 互いの本心をどのようにして知ることになるのか
- 感情的な衝突は起こり得るのか
- 恋愛と友情はどちらが勝利するものなのか
生々しい現実に向き合った際、両者がどのように思考し、行動を起こすのか非常に気になるところですね。
5. 佐久間 優介 & 筒井 俊樹（同中＆MBTI正反対コンビ）
こちらの2人も、人あたりの良さや判断力の点において全くの正反対の存在でありながら、それぞれにない強みを補い合いながら海幕オケ部を支える重要な役割を果たしています。
- 佐久間：ENTP（Ne-Ti-Fe-Si)
- 筒井：ISFJ（Si-Fe-Ti-Ne)
最も印象に残るのは、コンクール前の部活のミーティング後に、佐久間が筒井に対して嫌味交じりの鋭い指摘を繰り出す一方で、筒井は大人しく全てを受け入れている場面でしょうか。
通りかかった青野にまるでパワハラやいじめの現場であるかのように誤解されるほど、緊張感のあるシーンでした。
佐久間が「何度言ったらわかるのかな」と言葉にしている通り、この恐ろしいやり取りは2人の間では日常茶飯事なのでしょう。
中学時代からの付き合いのある２人ではありますが、これはよっぽど互いを理解し合い、尊重し合わないと成り立たない繋がりなのではないでしょうか。
筒井は佐久間の優れた洞察力と問題解決能力に一目置いており、部長である自身の参謀のような役目を依頼していました。
反対に、他者にシビアな佐久間自身も筒井の誰に対しても人当たりがよく、困難にもひたむきに向き合う姿を気に入っているのでしょう。部活の時間以外にも2人でよくつるむ姿が見られます。
周囲と協調して穏便に物事を進めていくのが得意であった1つ上の世代と比較して、筒井と佐久間の代はそれぞれの個性が爆発している印象が強いです。
だからこそ、中学時代から強豪オケ部に揉まれて強く良いチームの何たるかを知る、柔の筒井と剛の佐久間が上手く連携しながら懸命にオケをまとめていく姿が、より鮮明に印象に残るのでしょう。
6. 青野と小桜、町井、滝本とのやり取り（xSFPとxNFPの関係性）
MBTI的な観点で見た本作の魅力の一つに、内向的感情Fiを優位に持つキャラクター達の共感に満ちたやり取りや気づきの多さが挙げられます。
青野：ISFP（Fi-Se-Ni-Te)
小桜：INFP（Fi-Ne-Si-Te)
町井：INFP（Fi-Ne-Si-Te)
滝本：ENFP（Ne-Fi-Te-Si)
【青野と小桜】
青野とハルは同じ1stヴァイオリンの1年生として、行動を共にすることが多い2人です。両者とも自身の感情や価値観を大事にするところがあります。
幼いころからの影響から、ハルが青野に対して特別な感情で接する場面が多いですが、繊細で美しい演奏をし、様々な物事に前向きなハルも青野に好影響を与えています。少しずつ互いのトラウマを共有して強くなる2人の関係性からはこれからも目が離せません。
【青野と町井】
ソリストとしての腕は確かながら、オケ全体と合わせる経験値の少ない青野が途方に暮れていた際に、その様子に目ざとく気づいて声をかけてきたのが町井先輩です。
町井自身も青野同様どちらかといえば内向きなタイプであり、彼の悩みに共感します。そして、様々な情報や人々に興味を持ち、積極的に吸収する傾向にある彼女は、自身のこれまでの経験を踏まえて、周囲と音を合わせ、協調する方法についてアドバイスします。
優しく視野の広い町井と新たな気づきを得て喜ぶ青野の対話が印象深いシーンです。
【小桜と町井】
1stヴァイオリンの先輩後輩同士の小桜と町井は、共に小説等読書をすることを好み、果ては互いの恋バナに盛り上がるレベルで親密な関係を築いています。
コンクールの演奏曲「サムソンとデリラ」の解釈の際に、それとなく周囲から「青野を好きである」ことを指摘され、恋心がバレているのかと不安になっているハルの事情を察した町井が、彼女の心配を和らげ、彼女の本心を尊重しフェアになるように自分自身の恋心まで教えてあげる懐の広さを見せました。
町井のお陰で、彼女らしさを取り戻したハルも、その時に得た自身の感情の機微と物語の解釈をかみ砕いて得たイメージを駆使して、周囲からも明確に違いが分かるくらい素晴らしい演奏をするようになったのでした。
【青野と滝本】
家庭の事情と部活での重責に追いつめられていた滝本を救ったのが、青野でした。
元々は同じ1stヴァイオリンのパートで顔なじみの二人。特に先輩の滝本は青野の素直な感情表現や人となりにシンパシーを感じていたのか、やたらと可愛がるシーンがそれまでも散見されました。
何もかもが上手くいかず、いつもの明るさを失って投げやりな滝本に対して、言葉には表さない彼女の本気や本心を拾い上げる青野。
かつて途中で退部したメンバーのように、滝本自身も最後まで部活動を完走できないことで、これまでの自分自身の熱意や頑張りが認められず「裏切者」と否定されることに虚しさや悲しみを感じていました。
青野はそんな滝本の努力を知っており、彼女自身を肯定すると同時に、自分の本心と向き合うことを恐れ続けた過去を後悔していることも伝えます。
周囲とは違う「異分子」同士の二人。そんな逆流の中でも自分自身を強く持つことの重要性を滝本に改めて再認識させたのでした。
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